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Saturday, September 4, 2010

004.「モードは掟を破る権利がある」





クレンジングは色々使ってみるのですが、結局ここに戻ってしまう。
シュウウエムラのクレンジングオイル。

シュウウエムラの商品にマスターピースは数あれど、クレンジングオイルはそのなかでも特別。私がこのオイルを使いはじめたときは、まだ黄色いやつ1種類だった、と思う。なのだけど、今ってこんなにあんのね

6種類だって!みなさん選べるのかしら?
薬用もある。スゴイネー。

この年表を見ると、私が使いはじめて15年以上経ってるということになります。このオイルの他に、こんなに長く使い続けている化粧品ってない。そしてこれからも、他のものを色々試したとしても、クレンジングに関してはここに戻るんだろうなって思っている。接客のときも「会社辞めてもこのクレンジングオイルだけは永遠に使い続けます」って言ってたなー。昔。
(ちなみに2002年に出たオレンジ色のエンリッチドがいちばん好き)







クレンジングオイルは肌に良くない。という説が、ここ何年かでコンスタントに浮上している気がする。毛穴が広がる原因になるとか、肌に刺激になるとか負担になるとか、そんな理由で。根拠や真偽のほどは定かではないけれど、私はこのクレンジングオイルを使い続けて肌が美しい人を何人も知っているし、そういう説を信じたことはない。(他のクレンジングオイルを使う気にあまりなれないのも事実だけど)

ただ「シュウウエムラのクレンジングオイルが苦手」って場合は、だいたい使用量が少ないか、乳化をきちんとやっていないか、のどちらかのような気がする。

とにかくクレンジングオイルは量をケチるとろくなことがない。摩擦による肌への刺激が懸念されるし、乳化もきちんとされないから洗い上がりも気持ち悪い。
シュウウエムラのクレンジングオイルなら4プッシュが基本。この量を肌に伸ばしていくと、なめらかでテクスチャーも最高です。
それから乳化を丁寧にしないまま洗い流すと、これまた肌にオイル感が残ってすっきりしない。当然肌への負担にも。ここは気をつけるべきポイントです。

でも、それされ守ればという感じで、W洗顔はいらないし、マッサージ効果もあって血行促進に繋がるし、ハードなメイククレンジングから洗顔のみの場合まで、どんなケースにも対応。これひとつあると、とても安心なのです。

肌が唯一持っていない能力。それは、汚れを落とすこと。なので、クレンジングはとても大切。逆にちゃんと落としていればあとはどうにでもなる。というのはちょっと乱暴だけど、そのくらいクレンジングは重要です。

あと、シュウウエムラのクレンジングオイルのベースはミネラルオイルなんだけど、これはすなわち石油由来のオイル。で、石油は悪なのかどーなのか、という話になりますが、こちらは答えが出せていないままです(私の中で)。
というか、石油も天然成分だよね?というのは常々思っている。もちろんミネラルオイルというのはそこから精製とか色々されているわけですが、ひとまず肌にとってどうだめなのかというのは全然わからない。
あとは界面活性剤問題。乳化できるということは界面活性剤が配合されているということに他ならないわけですが、私は界面活性剤については反対派ではまったくないです。
このへんの話はまたいつか。いずれもとてもデリケートな問題だと思います。

結局、肌に合う合わないは自分で試してみることが肝要。スキンケアに限らず、化粧品に限らず、なんでもそうなんだと思います。情報は便利だしありがたいものだけど、あくまでも一期一会という感じを忘れないようにしたい。

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マスターピースって古くならない。
音楽でもそうだけど「そのパクリ」は古く、ダサくなっていくけど、本家本元はいつ聴いても素晴らしい。
化粧品も同じだと思う。例えばRMKのリキッドファンデーションや、アルビオンのスキンコンディショナーなんかもそう。これだけ毎年毎年色々進化している中で、ずっと同じものを売り続けている。当然支持されているからなんだけど。素敵なことだなと思う。し、誤解を恐れずに言えば、本物なんだと思います。

マスターピースを持つブランドは強い。

シュウウエムラに教わったことは沢山ありますが「道具は本物しか使うな」「モードは掟を破る権利がある」というのは身にしみています。
クレンジングオイルも、今でこそスタンダードだけれども、シュウウエムラがハリウッドから日本に持ってきた当時は、コールドクリームで拭き取るのが主流。オイルで顔を洗うなんて!となかなか支持されなかったそうです。

今でこそ、クリームで拭き取ってメイクを落とすなんて、どんなに肌に刺激があるだろう、と思ってしまいます。面白いものです。当時異端だったものがスタンダードになり、マスターピースになる。というストーリーは小気味良く魅力的だけれども、それは今の場所から眺めている(結果がわかっている)から。
リアルタイムで実践出来る人はとても限られているというか。

大竹伸朗さんがMOTで展示をしたときに「やり続ければMOTで展示ができるなんて保証はなにひとつない中で、ひとりで、長い間、どれだけのことを続けられるか。それが出来るか出来ないかなのだ」というようなことを仰っていて、それも同じことだなぁと思います。

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