アイデンティティ定まらぬまま、かなりお久しぶりです。お元気でしょうか?
この半年くらい、公私ともに、というか、もはや公私って何なのという感じですが、まぁ色々ありまして、まだ色々あり続けているのですが、そんな中でも最近は少し劇場で映画を観る機会に恵まれています。『ミツバチの羽音と地球の回転』を皮切りに、『ハーブ&ドロシー』『六ヶ所村ラプソディー』『ブラックスワン』『キッズ・オールライト』『100000年後の安全』『イヴ・サンローラン』……。いずれも311以降で、もちろん観かたによるのでしょうが、やっぱり自分の人生とのリンクを意識してしまう癖があって、そうなったときに、天命とは何なのだろうと考えずにはいられないというか。
それぞれの映画に対して思い入れがあるのですが、今日は『イヴ・サンローラン』について。
私はイヴが「デザイナーとして」大変好き(サファリ・ルックとモンドリアンの現物を見たときの衝撃は忘れられない!)なので、彼のアーカイヴを見れること、パーソナリティを知れること、いずれも興奮できてこの映画はとても楽しかった。とはいえ、どちらかというと俯瞰のイヴの伝記というよりは、ピエール・ベルジェがいかにイヴを愛し、支え、成功させたかという個人的な想いの入りまくった映画でした。終始。潔いくらいに。とはいえ-----というのか、ベルジェなくしてイヴの成功はなかった、といういいかたもできるのだけど、今の私には、やっぱり天命を全うする場合にはそれ相応の支援者が現れるのだな、というふうに見てとれた。もちろんベルジェにとってはイヴが支援者なわけで、なんだかとても素晴らしいな、と感動。
イヴは私が思っていた100万倍くらいセンシティヴで、とても弱い人だった。ブラック・スワンじゃないけれど、常に狂気と隣り合わせどころじゃなく、狂気のただなかというか、狂気と一緒に暮らしているというか、それはそれは想像を絶するものがあったのだろうなと思う。お決まりのドラッグにお世話になりつつ、それでも生涯にわたりあのように素晴らしいクリエイションを残してくれたことにはただ感嘆というほかない。知らない素晴らしい作品があふれるほどあった。本当に天才。
イヴが居なければそれこそトム・フォードも居なかっただろうし、21でDiorのデザイナーというのもすごい、マックイーンがGIVENCHYのデザイナーになったときや、ステラがChloeのデザイナーになったとき「こんなに若いのに!?」とか思っていたけどそれの比じゃないというか、もうとにかくすごい!ブラボー!って感じで。ボキャブラリー貧困ですみません。
個人的には若かりし頃のルル・ド・ラ・ファレーズが見れたことが嬉しかったのですが、ウォーホルやストーンズのメンバー、もちろんベティ・カトルーにドヌーヴ、歴代のスーパーモデルなどが登場するのと、マラケシュのマジョレル庭園も出てきます。良い時代だったのだろうな、って思う。
90’s以降のファッション業界の魑魅魍魎(とは言ってなかったけど)を嘆くシーンもあって、オートクチュールが命のメゾンには厳しい時代だろうし、イヴが今の世の中を見たらいったいなんと言うのだろう。というのは思う。カリ・ユガですからね。イヴが生きてた時代も別にカリ・ユガか。
という訳で色々言われている2012年を目前に、あまり時間がない、というのは最近すごく思っていて、もちろん「唯一、死は保障されている」わけですし、私はmariaのときに、どうしてあんなに素敵なひとがいなくなってしまうのに私は生きてるんだろう?と心から思ったし(恨んだと言ってもいいかもしれない)、それでも生きているならそれなりの何かがあるのかなというのはあるのですけど。はい。
ただもう311以前には戻れない、当たり前だけど。
あまり心配はしていないのだけど、加速することは必要だなと思っています。
YSL×NEWTONのマスターピース。
いつか何かを成し遂げたら、YSLのスモーキングで一杯やりたいです。がんばる。
ただ私はピラーティはそんなに好みじゃないのだけど。
good to hear from you
ReplyDelete